結論:「/」は区切り方の例の1つで、添加物の名称には決まりがあります
- 原材料と添加物を同じ欄に書くときは、明確に区分します。消費者庁のQ&A(加工-248)は、記号で区分する、改行する、別欄にする、の3つを例に挙げています。「/」は記号の例で、義務ではありません。ただし、区切りを入れずに続けて書くことはできません。
- 添加物の名称は、物質名、簡略名・類別名、一括名、用途名の併記という決まりで書かれます。「加工デンプン」は類別名、「ステビア」は簡略名です。
- BIYU Natural VC98の原材料欄にある添加物のうち、ビタミンC、加工デンプン、ステアリン酸カルシウム、ヒマワリレシチンは指定添加物です。ステビアは既存添加物の簡略名です。使用目的は、この記事では扱いません。
「/」の前と後ろ:原材料と添加物の区分
食品表示基準の第3条は、「原材料名」と「添加物」を別の事項として定め、どちらも重量の割合の高いものから順に書くとしています。添加物の事項欄を設けない場合は、原材料名の欄の中で、原材料と明確に区分して表示する必要があります(Q&A 加工-74)。
区分の方法について、Q&A 加工-248は3つの例を示したうえで、「以下の方法に限定するわけではありません」としています。例に使われている記号は「/」です。順序は、Q&A 加工-73が「原材料、添加物の順序が一般的」としています。サプリメントのようにほとんどが添加物で構成されている場合は、添加物を先に書いても差し支えないとされています。
カッコは、2種類以上の原材料からなる原材料(複合原材料)の中身を、重量の割合の高い順に示すものです(食品表示基準第3条、原材料名の項)。
| 位置 | BIYU Natural VC98の原材料名欄の表示 |
|---|---|
| 「/」の前 | 還元麦芽糖水飴(国内製造)、アセロラ果汁末(アセロラ果汁、マルトデキストリン)、レモン末(レモン、デキストリン)、はと麦若葉末、ケール末、ウコンエキス末 |
| 「/」の後 | ビタミンC、甘味料(ステビア)、加工デンプン、ステアリン酸カルシウム、ヒマワリレシチン |
添加物の名称を決める4つのルール
| 名称の型 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 物質名 | 食品衛生法施行規則の別表第一に載る添加物は別表第一の名称、既存添加物は既存添加物名簿の名称または別添 添加物2-1の品名で書く | 次長通知(4)①ア・ウ |
| 簡略名・類別名 | 一般に広く使用されている名称がある添加物は、その名称で物質名に代えられる。使える範囲は、別表第一の添加物が別添 添加物1-1、既存添加物が別添 添加物2-1 | 基準第3条 添加物の項3、次長通知(4)①イ・キ |
| 一括名 | 別表第七の用途(香料、酸味料、乳化剤、膨張剤など)で使う場合、同表の下欄の表示で代えられる。範囲は別添 添加物1-4 | 基準第3条 添加物の項3、別表第七、次長通知(4)③ア |
| 用途名の併記 | 別表第六の8つの用途(甘味料、着色料、保存料、増粘剤・安定剤・ゲル化剤又は糊料、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤又は防ばい剤)として使う場合、物質名と用途名を書く | 基準第3条 添加物の項1、別表第六 |
用途名の併記が必要なのは、別表第六の用途として使われた場合です(次長通知(4)②ア)。書き方は、Q&Aの例に「酸化防止剤(ビタミンC)」「甘味料(カンゾウ)」とあり、用途名の後ろにカッコで物質名を書いています。なお、加工助剤とキャリーオーバーは表示の対象から除かれています(基準第3条)。
指定添加物と既存添加物
厚生労働省の説明では、指定添加物は食品衛生法第12条に基づき、厚生労働大臣が使用してよいと定めたものです。食品衛生法施行規則の別表第一に載っていて、化学的合成品だけでなく天然物も含まれます。既存添加物は、化学合成品以外で長い食経験があるものとして、既存添加物名簿(平成8年厚生省告示第120号)に載っているものです。
BIYU Natural VC98の原材料欄にある添加物の区分
| 表示 | 区分 | 資料に載る名称 | 確認した資料 |
|---|---|---|---|
| ビタミンC | 指定添加物 | 別表第一(第7号)の名称は「L-アスコルビン酸(別名ビタミンC)」。別添 添加物1-1の簡略名は「アスコルビン酸、V.C」 | 施行規則 別表第一、別添 添加物1-1、公定書収載添加物分類表 |
| 甘味料(ステビア) | 既存添加物 | 「ステビア」は、ステビア抽出物、ステビア末、α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア(別名 酵素処理ステビア)の簡略名。「甘味料」は別表第六の用途名 | 別添 添加物2-1、別表第六、公定書収載添加物分類表 |
| 加工デンプン | 指定添加物 | 「加工デンプン」を類別名とする指定添加物は12品目 | 別添 添加物1-1、施行規則 別表第一 |
| ステアリン酸カルシウム | 指定添加物 | 別表第一(第237号)の名称は「ステアリン酸カルシウム」。簡略名は「ステアリン酸Ca」 | 施行規則 別表第一、別添 添加物1-1、公定書収載添加物分類表 |
| ヒマワリレシチン | 指定添加物 | 別表第一(第333号)の名称は「ヒマワリレシチン」。簡略名は「レシチン」 | 施行規則 別表第一、別添 添加物1-1、公定書収載添加物分類表 |
ビタミンC
別表第一に「L-アスコルビン酸(別名ビタミンC)」として載っています。表示の「ビタミンC」は、この別名と同じ表記です。簡略名の一覧(別添 添加物1-1)にあるL-アスコルビン酸の簡略名は「アスコルビン酸、V.C」で、「ビタミンC」は含まれていません。
加工デンプン
別添 添加物1-1で「加工デンプン」を類別名とするのは、名称に「デンプン」を含む12品目です。アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプンで、12品目とも別表第一に載っています。資料の表記は「加工デンプン」で、表示から12品目のどれかは分かりません。
ステアリン酸カルシウムとヒマワリレシチン
どちらも別表第一に物質名で載る指定添加物です。ヒマワリレシチンの簡略名は「レシチン」です。この商品の表示は、どちらも物質名です。
ステビア
別添 添加物2-1の既存添加物の簡略名です。3品目のどれかは、表示から区別できません。
公的機関の資料の整理
- 消費者庁:食品表示基準(本則・別表第六・別表第七)、次長通知「食品表示基準について」、別添 添加物、食品表示基準Q&A。表示を「どう書くか」を定めています。
- 厚生労働省:食品衛生法施行規則別表第一、既存添加物名簿、公定書収載添加物分類表。使ってよい添加物を、指定と既存に分けています。
表示を読むときの見方
- 「/」・改行・別欄などで、原材料と添加物の境目を探します。
- 「甘味料(ステビア)」のように、用途名が付いている添加物は、表示に用途名(この例では甘味料)が出ています。
- 「加工デンプン」「ステビア」のような名称は、複数の品目をまとめた名称です。個々の品目は、表示だけでは分かりません。
- 表示にない内容を知りたいときは、表示にある製造者・販売者に問い合わせる方法があります。有機の表示は別の制度で、有機JASマークの見方で整理しています。
BIYU Natural VC98の表示の事実
名称は「ビタミンC含有加工食品」、内容量は90g(3g×30本)です。製造者は三生医薬株式会社、販売者は株式会社プロップスジャパンです。表示の全体は原材料と表示のページに載せています。
よくある質問
Q1. 「/」がない表示は、区分されていないということですか。
そうとは限りません。Q&A 加工-248は、記号のほか、改行や別欄での区分も例に挙げています。区切りなしに続けて表示することはできません。ほかの質問はよくあるご質問にまとめています。
Q2. 「加工デンプン」は、原材料のでん粉と同じですか。
制度上は別です。物理的処理や酵素的処理をしたでん粉は食品として扱うため、加工デンプンと併用する場合は、前者を原材料、加工デンプンを添加物として表示するよう、次長通知が指導するとしています。
Q3. 添加物の使用目的は、表示から分かりますか。
用途名が併記された場合や、一括名の場合は、名称に出ます。それ以外は、表示だけでは分かりません。
出典一覧(確認日:2026-10-06)
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