結論:成人の推奨量は1日100mg、耐容上限量は設定されていません
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の男女のビタミンCの推奨量は1日100mg、推定平均必要量は80mgです。男女で値は同じです。妊婦・授乳婦には「付加量」が別に示されています。
耐容上限量(摂りすぎによる健康障害を避けるための上限の目安)は、設定されていません。ただし、報告書は注意点も書いています。後半で整理します。
ビタミンCの食事摂取基準(年齢区分別)
下の表は、報告書の「ビタミンCの食事摂取基準(mg/日)」を原文の表どおりに転記したものです。値はL-アスコルビン酸相当量として示されています。
| 年齢等 | 男性 | 女性 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | |
| 0〜5(月) | − | − | 40 | − | − | 40 |
| 6〜11(月) | − | − | 40 | − | − | 40 |
| 1〜2(歳) | 30 | 35 | − | 30 | 35 | − |
| 3〜5(歳) | 35 | 40 | − | 35 | 40 | − |
| 6〜7(歳) | 40 | 50 | − | 40 | 50 | − |
| 8〜9(歳) | 50 | 60 | − | 50 | 60 | − |
| 10〜11(歳) | 60 | 70 | − | 60 | 70 | − |
| 12〜14(歳) | 75 | 90 | − | 75 | 90 | − |
| 15〜17(歳) | 80 | 100 | − | 80 | 100 | − |
| 18〜29(歳) | 80 | 100 | − | 80 | 100 | − |
| 30〜49(歳) | 80 | 100 | − | 80 | 100 | − |
| 50〜64(歳) | 80 | 100 | − | 80 | 100 | − |
| 65〜74(歳) | 80 | 100 | − | 80 | 100 | − |
| 75以上(歳) | 80 | 100 | − | 80 | 100 | − |
| 妊婦(付加量) | (該当なし) | +10 | +10 | − | ||
| 授乳婦(付加量) | (該当なし) | +40 | +45 | − | ||
単位はmg/日。「−」は、その指標が設定されていないことを表します。
3つの用語の意味
- 推定平均必要量:ある集団の50%の人が必要量を満たすと推定される摂取量です。概念図では、この量で不足の確率は0.5(50%)です。
- 推奨量:ある集団のほとんどの人(97〜98%)が必要量を満たす量です。推定平均必要量に「推奨量算定係数」を掛けて求めます。ビタミンCの係数は1.2です。
- 目安量:十分な科学的根拠が得られず推定平均必要量を算定できない場合に、「十分な量」の目安として設定されます。ビタミンCでは、乳児(0〜11か月)だけが目安量です。
数字はどのように決められたか
報告書によると、推定平均必要量は、血漿(血液の液体成分)のアスコルビン酸濃度をもとに決められました。この濃度は、体内のビタミンCの量を反映する指標とされています。
- 血漿アスコルビン酸濃度を50μmol/Lに維持できれば、体内の状態が良好に保たれると考えられました。
- 介入研究では、この濃度を維持する成人の摂取量は70〜90mg/日でした。観察研究を報告した36の論文のメタ・アナリシス(複数の研究をまとめて分析する方法)では、83mg/日でした。
- これらから、丸め処理を行って80mg/日を推定平均必要量としました。これに1.2を掛け、丸めて推奨量を100mg/日としています。
原文には、推定平均必要量は壊血病(ビタミンCの欠乏症)を予防するのに足る最小量からではなく、良好な栄養状態の維持という観点から算定した、と明記されています。災害時の避難所の食事計画などで参照量にするときは留意が必要、とも書かれています。
高齢者は、値の決定が困難だったため、65歳以上でも成人と同じ量とされています。
耐容上限量が設定されていない理由と、報告書の注意点
報告書は耐容上限量を「設定しなかった」としています。理由は、健康な人が過剰に摂っても、消化管からの吸収率が下がり、尿中への排泄量が増えることとされています。また、通常の食品で、可食部100gあたりのビタミンC含有量が100mgを超えるものは少し存在するものの、通常の食品を摂っている人に過剰摂取による健康障害が出たという報告は見当たらない、とも述べています。
一方で、同じ項に次のことも書かれています。
- 腎機能に障害のある人が数gを摂った条件では、腎蓚酸(じんしゅうさん)結石のリスクが高まることが示されている。
- 過剰摂取の影響として最も一般的なのは、吐き気・下痢・腹痛といった胃腸への影響で、1日3〜4gのアスコルビン酸で下痢が認められた報告がある。
- 摂取量と吸収・排泄を調べた研究を総合すると、通常の食品から摂ることを基本とし、通常の食品以外の食品から1g/日以上を摂ることは推奨できない。
総論の「小児」の項には、耐容上限量を算定できなかったことは、多量に摂取しても健康障害が生じないことを保障するものではない、という注意書きもあります。
公的機関の資料の整理
ここまでの内容は、厚生労働省の報告書(総論と水溶性ビタミンの分冊)に基づいています。ビタミンCの指標の設定状況は次のとおりです。
| 指標 | ビタミンCでの扱い |
|---|---|
| 推定平均必要量 | 設定(1歳以上。成人は80mg/日) |
| 推奨量 | 設定(1歳以上。成人は100mg/日) |
| 目安量 | 設定(乳児のみ。40mg/日) |
| 耐容上限量 | 設定せず |
| 目標量 | 設定せず |
目標量(生活習慣病の発症予防を目的とした量)は、関連を報告した研究と認めない研究が混在し、不明な点が多いとして設定されていません。重症化予防を目的とした量も設定されていません。
数字を読むときの見方
- 食事摂取基準は「習慣的な摂取量」の基準です。「1日当たり」で表されていますが、短期間(たとえば1日)の食事の基準を示すものではありません。習慣的な摂取を把握・管理するのに要する期間は、おおむね「1か月間程度」と考えられると報告書は述べています。
BIYU Natural VC98の事実
BIYU Natural VC98は、名称「ビタミンC含有加工食品」で、内容量は90g(3g×30本)です。1本(3g)あたりのビタミンCは1,000mgです。栄養機能食品ではなく、医薬品でもありません。
原材料などの表示は原材料と表示でご覧いただけます。このコラムの数字は、特定の食品の量を評価するものではありません。
よくある質問
Q1. 推奨量と目安量は何が違いますか。
推奨量は、推定平均必要量から算定して設定される値です。目安量は、推定平均必要量を決めるだけの科学的根拠が足りないときに設定される「十分な量」の目安です。ビタミンCの目安量は乳児だけです。
Q2. サプリメントで摂った分も、食事摂取基準の数字に含まれますか。
報告書の総論では、食事摂取基準は通常の食品に含まれる栄養素を対象とするとされています。耐容上限量についてのみ、サプリメントなど通常の食品以外の食品に由来する分も含むと説明されています。なお、ビタミンCの耐容上限量は設定されていません。
Q3. 妊娠中や授乳中の数字は、どう読めばよいですか。
表の「付加量」を、同じ年齢区分の女性の値に足します。妊婦は推定平均必要量・推奨量とも+10mg/日です。授乳婦は推定平均必要量が+40mg/日、推奨量が+45mg/日です。
出典一覧
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書「ビタミン(水溶性ビタミン)」(⑨ビタミンC、報告書219〜224ページ、ビタミンCの食事摂取基準の表は242ページ) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316467.pdf (確認日2026-10-06)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書「総論」(指標の定義・概念図・基準を策定した栄養素と指標・策定の留意事項) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316460.pdf (確認日2026-10-06)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 正誤表(令和7年3月25日) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316480.pdf (確認日2026-10-06)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2025年版)ページ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html (確認日2026-10-06)
- BIYU Natural VC98の名称・内容量・成分値は、商品表示による。
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